日系グローバル企業の採用が、超大手企業から中堅・中小企業まで幅広い多くの企業で、これまで以上に加速しています。
各社の求人内容を確認していると、中途採用の目的が大きく二つに分類されます。
1.海外現地機能を直接的に強化したい
2.海外事業の企画・管理のためにHQ(ヘッドクォーター = 国内本社)機能を強化したい
1.については、いわゆる海外駐在、現地赴任の求人になります。場合によって現地採用として、長くその地域に根付いて働いてほしいというスタンスで採用を考えている企業もあります。
絶対数としては多くないですが、特に中国、東南アジア、欧州の求人をお預かりするケースが増えています。
2.については、純粋な組織強化に加えて、いわゆるジョブローテーションの影響で穴が空いてしまったポジションの補充というケースもあります。各社業容を拡張する中で、優秀な人材が新しい部署に異動になり、社内で適切な人材が不足してしまうケースが増えているようです。
JBIC(国際協力銀行)が出しているデータによると、2000年代初頭以降、日系企業の海外売上高比率は右肩上がりで高まってきており、間もなく50%を超えるところまできています。
https://www.jbic.go.jp/wp-content/uploads/press_ja/2014/11/32466/besshi2.pdf
そのような事業環境の中で、一口にグローバル事業の強化と言っても、テーマは会社や事業によって異なります。
1.新規エリア進出
2-1.既存エリア強化
2-2.既存エリア建て直し
1.は大手企業だとあまりニーズは多くなく、中堅中小企業で東南アジア関連のものが多いようです。
事業開発やマーケティングなどフロント側のポジションであれば、現地の事情に詳しく何らかの実績を出してこられた方は大変重宝されると思います。
管理側のポジションであれば、遠隔地のマネジメントになるため、日系のグローバル企業、あるいは外資系の日本法人などで、経営・事業管理の経験のある方が求められる傾向にあります。
またM&Aで時間を買う会社も多くありますので、銀行や証券会社などの金融機関、戦略系コンサルティングファーム、総合商社、あるいは事業会社の経営企画部門などでのM&A経験のある方は引く手数多の状況です。
いずれにしても、社内に人材が不足している能力を持っている方が求められているため、組織にうまくフィットすれば活躍しやすいケースだと思います。
一方で戦略転換されやすいため、入社後しばらくしてポストがなくなった!というリスクもなきにしもあらず。
大きなチャンスもありますが、見極めと、万が一のときの心構えが重要です。
2-1.は欧米、APAC、インド、中東などのエリアが中心です。
売上を増やしたいケースと、コストマネジメントを固めたいケースとで大きくふたつに分かれて、それぞれで求められる人材は変わります。
ノウハウが社内にないわけではないため、既に在籍している社員と比べて優れているかどうかが問われます。
戦略転換される可能性はほとんどないため、ポジションがなくなるリスクは低いですが、今いる社員よりも何らかの部分で高いバリューを発揮できることが期待されます。
それができれば一気にステージが上がる可能性も秘めています。
2-2.は少し特殊なケースですが、ターンアラウンドを"ゴリゴリ"できる方が求められます。
再成長戦略立案、コストカット、戦略実行のリード、スタッフの人心掌握を、マネジメント陣とうまくアラインしながら進められる方、もしくはその一部を担える方が望まれます。
かなりタフな仕事になりますが、トラックレコードとしては非常に魅力的なものになるため、成功できると次のキャリアが大きく開けますし、仮にうまくいかなかったとしても、その経験を次の機会に生かせる貴重な環境になると思います。
職種としては、経営企画、経営管理、事業開発、マーケティング、事業管理、人事など、様々なポジションがあります。
年収としては、幅広いですが1000万円前後から2500万円くらいのレンジのものが多いです。
グローバル展開している日系企業で働きたい方は、ぜひご相談ください。
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(古屋)