CEO、CxOの外部招聘に関するお手伝いをしていた際の話しですが、経歴的には全く問題無く(むしろ当該業界ではクライアントより上位企業に位置する役員クラスの候補者)、実績も豊富な方であっても面接でお見送りになることがしばしばあります。
私としては、この方以上に素晴らしい経歴の人を他に探せる自信も無いし、無事に成約するだろうと期待していたりもするので、予想に反した結果になるとショックが大きかったりします。
何がダメだったのでしょうか?
よくある理由としては、(経験は素晴らしいので恐れ多いのですが。。。という前置きがあり)
・話が長い
・当社(クライアントのこと)に興味を持っているかどうかわからない
・社風にマッチしないような気がした
などがあります。
社風にマッチしないという理由は、でも変革が必要なんでしょ?とクライアントに対して疑問を感じつつもそこは経営判断なので仕方がないとしぶしぶ納得せざるを得ないですが、話しが長いことと興味を持っているかわからない、というのは事前の対策で済む話しなので悔やまれます。
私の個人的見解もありますが、
・このクラスの方は意外と話し好きな方が多い(そもそもパワフルであるため)
・業界に精通している分、クライアントのことを細かく聞かなくても大体想像がつく
・既に上位役職なので最近はネガティブな指摘をされていない可能性
があるように思います。
担当者としては、微妙な調整が出来なかったことを後に悔やむわけですが、このクラスの方に、話しは簡潔にしてくださいね、などと初歩的なアドバイスをすることが失礼と思い遠慮することもありました。(今は良かれと思い遠慮せず言いますし、発言より質問に意識を集中してくださいなどとお伝えします)
ちなみに、経営層を外部から人材を招聘する際の理由は、企業規模や歴史、もちろん個社ごとの事情によっても異なりますが、要は変革をしたいわけで(もしくはする必要があって)、それをリードしてくれる人材を外部に求めているケースがほとんどです。
ということは、企業側が求める人材は、当該領域の経験に加えて、組織をリードしていく力になります。
経験はレジュメやCVを見ればわかりますので、面接の中では組織をリードしていく力の方が重要なポイントになります。
組織をリードしていく力については、コンピテンシーやラーニングアジリティなどで既に各方面から説明がされていますが、概ね企業側が面接の中で見ているのは、
・環境変化に対応できるか/リソースが少ない状況でも何とかするか
・物事をドライブする力が強いか/結果を追求するための機略に富むか
・変化をリードできるか/いつも新しい見方を提案するか
・政治力な手腕があるか/コンフリクトマネジメントが得意か
です。
まとめになりますが、
いくらCxOの方が候補者であっても(きっとCxOの方は普段面接をすることには慣れていますがされることには慣れていないと思いますので)、面接の中ではクライアントのことをよく知る、そこで得られた情報から簡潔に自分の意見を言う、上記の企業側が見ているポイントを意識しつつさりげなくアピールする。
ということを事前にお伝えするよう心がけています。
(中村)