コンサルティング業界ブログ

2016年のコンサルニュースまとめ

コンサル業界担当の服部です。新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

大変有り難い事に昨年も多くの素晴らしいお客様や優秀な方とのご縁に恵まれ、Tech系スタートアップのマネジメントポジションや、各コンサルファームのデジタルコンサル分野での多くの採用サポートが出来ました。

特にBCGデジタルベンチャーズのTokyoオフィスの立ち上げにはキャリアインキュベーションとしても強くコミットメントさせて頂き、中途入社メンバーの大半を当社経由でご支援させて頂けたことは大変光栄でした。今年も引続き尽力して参りたいと存じます。

さて、新年最初のブログでも有りますので、昨年のニュースから全体の流れを振り返ろうと思います。(個人的に目に止まったニュースをピックアップしたので少し偏りがあるかもしれませんがご容赦ください)

トピックは「買収」「業務提携」「新組織立ち上げ」「ワークスタイルの多様化」「まとめ」というカテゴリでまとめております。

1.《買収》アクセンチュアの大型買収が目立つ

ビッグニュースだったのはアクセンチュアが老舗のWebコンサル会社IMJを買収したことでした。IMJはネットイヤーと並ぶWeb業界では老舗の企業でもあり提携ではなく完全買収したことは驚きとともにアクセンチュアジャパンのデジタルコンサル領域への本気度が伝わる動きでした。実際にアクセンチュアインタラクティブの主要メンバーはIMJオフィスに頻繁に行き来していて良い形で協業を進めているようです。

また、アクセンチュアは流通小売業界に強い戦略ファーム、カート・サーモン・アソシエイツを買収。既に数十人の日本のメンバーはアクセンチュアストラテジーと合流したそうです。アクセンチュアにはここ2〜3年でトップ戦略ファームのプリンシパル〜パートナークラスが移籍しており、外資系企業のリクルーター経験者や大手SNSサイトのシニアメンバーを採用担当ディレクターとして採用するなど、ダイレクトリクルーティングにも力を入れており、総合系大手の中では最も積極的に採用を進めている印象を受けています。

【関連ニュース】
2016.9.23 アクセンチュア、カート・サーモン社の買収で合意。小売業界向け戦略コンサルティングサービスを強化
2016.4.05 アクセンチュア、株式会社アイ・エム・ジェイの株式過半取得で合意――日本におけるデジタル関連サービスを拡大

2.《業務提携》クラウドサービス、AI、ロボット分野で大手Tech企業との提携が進む

前回のブログでデジタルコンサルには「新しい事業を創出するデジタルイノベーション」と「既存事業を変革するデジタルトランスフォーメーション」の2種類があると書きました。

業務提携の目的でも前者のケースではAI、ロボットなどのテクノロジーの事業化、後者がワークスタイル変革(グーグルのG Suite、ipadの業務利用など)のツール提携が見えました。PwCコンサルティングは2015年にグーグルとの提携で、専門コンサルチームを立ち上げていましたが、更にDMM.comとのロボティクス分野での提携、電通デジタルとデジタルマーケティング領域のコンサル強化を進めています。

【関連ニュース】
2016.2 PwCコンサルティングがDMM.comとサービスロボット分野と提携
2016.9.29 Deloitte(米) アップルと提携
2016.10.4 アクセンチュアとグーグルが提携
2016.10.7 ローランド・ベルガー日本法人と技術マッチングサービス「リンカーズ」が提携
2016.8.25 PwCコンサルティングと電通デジタル、デジタル変革推進プログラムを共同提供
2016.5.27 KPMGコンサルティング「ワトソン」の導入を支援

3.《新組織立ち上げ》デジタル分野、オープン・イノベーション関連の組織立ち上げが増加

●デジタル
前回のブログでも書きましたが、デジタルコンサル元年とも言える昨年はコンサルファームだけではなく、電通や博報堂もデジタル専門の新組織を立ち上げたり、ニューヨーク本社の大手デジタルエージェンシーR/GAが日本に参入したり、IDEOTokyoがVCを立ち上げるなどコンサル業界に留まらず様々な方面からの参入がありました。一方でこの分野で即戦力となる人材は圧倒的に不足しています。ビジネス視点でデジタルの活用方法を説けるコンサルタントやデザイナーは枯渇しており、各社採用強化をしています。

【関連ニュース】
2016.4.1 BCGデジタルベンチャーズ 本日東京オフィスがスタート
2016.6.15 PwCコンサルティング、「Google イノベーションゾーン」を開設
2016.7.12 アクセンチュアが赤坂に「アクセンチュア・デジタル・ハブ」を開設
2016.8.1 NRIデジタルを立ち上げ
2016.9.20 「デロイト エクスポネンシャル」DTCの社内カンパニーとして10.1日に誕生「デジタル」×「ルール形成」×「ソーシャル・インパクト」で、エクスポネンシャルな事業成長を支援

●AI(人工知能)
AI/人工知能の新規ソリューションが多く出てきたのも特徴的でした。AI活用はパターン化出来る業務の自動化が中心で、例えば自然言語処理技術をコアとしたコールセンター応答業務のbot化や、画像認識アルゴリズムを活用した手書き文字認識の自動認識など実用例ですが、今まで公務員の長時間労働の要因になっていた国会答弁の質疑応答の下書きをAIにやらせるというユニークな事例も出てきています(NRIが実証実験中)。気づかないうちに実はAIがサポートしているというサービスがどんどん出てくるのかもしれません。AI技術をビジネス側にプロトコル変換出来るコンサルタントニーズはとても高いのですが、大変希少性が高く各社採用に苦戦しているようです。

【関連ニュース】
2016.10.6 アクセンチュア AIで金融業務効率化を支援 専門チーム結成
2016.10.21 PwCあらた監査法人 AI監査研究所を設置 監査品質向上を目的にAI活用研究を開始
2016.12.14 監査法人トーマツ 会計監査におけるSASによる不正検知プラットフォームを全面刷新

●Fintech
「Fintech」分野でも各社積極的な動きが見えました。但し、まだまだ定義が曖昧なため、コンサル各社は共に海外の事例などを集めながらどのようなサービスが成り立つのかを検証している段階のようです。Fintechには旧来の金融サービスをデジタル化する動きと、金融機関が出来ない新たなサービスを創出する2つの方向性があります。分野では「資産管理」「資産運用」「送金/決済」「資金調達」「ビットコイン」「会計」などがあります。大手企業は単独の事業開発は難しいので、コンサルファームと組んだジョイント・ベンチャーの立ち上げなどハンズオンでの事業開発ケースも出てくるかもしれません。

【関連ニュース】
2016.8.2 PwC Japan「フィンテック&イノベーション室」を設置
2016.10.6 アクセンチュアが金融機関向けAIなどの専門組織を立ち上げ
2016.12.26 トーマツベンチャーサポートが金融機関向けの新規事業創出支援を開始

●オープン・イノベーション
オープン・イノベーションが注目ワードとなり、企業間の提携を支援するサービスが増えてきました。技術マッチングの領域では「ナインシグマ」が最も老舗です。マッチングの迅速化に加えて、エグゼキューションまで支援出来るかどうかが重要になってくるようです。

【関連ニュース】
2016.10.7 ローランド・ベルガー日本法人と技術マッチングサービス「リンカーズ」が提携
2016.10.20 デロイトトーマツコンサルティング 世界のスタートアップとテクノロジーの情報を一元的に検索、分析できるプラットフォーム「TechHarbor」を開発

4.《ワークスタイルの多様化》時短勤務や在宅勤務のサポートを本格化

昨年は優秀なコンサルタントの採用やリテンション強化のため、就業環境を改善する取り組みも増えました。たとえば日系大手ファームでは水曜日をノー残業デーとして、深夜・休日のメールや電話も原則禁止とするなど長時間労働の改善にも本格的に取り組み始めています。外資大手ファームでもトップダウンで、時短勤務など制度を拡充し残業時間を抑制し生産性を向上させる取り組みを進めていると聞きます。

コンサルタントはプロジェクトの状況に依存することも多く、一律の実施は難しいと思いますが会社として意識変革を促す姿勢は大きな変化です。ワーキングマザーで時短勤務を希望される優秀なコンサルタントの方からもご相談頂く事があり、このような取り組みは大変歓迎されると思います。

【関連ニュース】
2016.11.08 トーマツが多様な人材・価値観・働き方を支える人事施策を開始。在宅勤務の開始、複線型キャリアパスの拡充
2016.8.29 あずさ監査法人「在宅勤務制度」と「介護休業者等貸付制度」の2つの制度を導入

まとめ

2017年もコンサルファームでは採用ニーズは依然強い状況が続きそうです。コンサル経験者にとっては売り手市場となり、未経験者にとってもコンサルタントに転身するチャンスの多いタイミングでしょう。しかし、すでに知識や知恵で差別化出来る時代ではなくなっており、コンサル業界自体も変革の時期に来ています。なのでクライアントに付加価値を出すために、デザイナーや代理店出身者、データサイエンティストやアルゴリズムエンジニアなど全く異分野の人材を採用し、M&Aや事業提携を駆使しながら自社の変革を進めているのです。

チャレンジングなプロジェクトも多く、苦労と共に大変なやりがいがあるようです。ご自身にあった会社やポジションを選び、転職活動を進めていって頂ければと思います。

今年も良いご縁があることを楽しみにしております。キャリアインキュベーションを今年も何卒宜しくお願い致します。

(服部)

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